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大きな夢を描き、共に挑戦する太陽のような存在でありたい。苦境のなか辿り着いた「自分らしい」リーダーシップ
大きな夢を描き、共に挑戦する太陽のような存在でありたい。苦境のなか辿り着いた「自分らしい」リーダーシップ

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二輪車・四輪車・マリン製品からロボティクスまで、幅広い事業を通じて「感動創造」を掲げ、世界中に新たな価値を届け続けるヤマハ発動機株式会社。なかでも四輪バギー事業をはじめとするアウトドアランドビークル領域では、多様な人材が集まり、新たな商品開発に挑戦し続けています。

今回お話を伺った上江洌さんは、四輪バギーのパワートレインを設計しており、10名が所属するRV-PT設計3グループのグループリーダーを務めています。上江洌さんが、mentoのコーチングを受講したのは2025年4月。折しも大型プロジェクトが始動し、多様なバックグラウンドを持つメンバーが一気に加わったタイミングで、「これまでのやり方で、このチームを最後まで走り切れるのか」というマネジメントへの不安を抱えていたといいます。しかし、コーチングを通じて、自身の感情と向き合い、自己を受け容れることを学び、やがて「太陽のようなリーダーシップ」という自分らしさを見出していきました。

その変化の軌跡に迫ります。

大型プロジェクト始動と増員に伴う不安があった

コーチングを受講される前の課題感について教えてください。

上江洌さん:個人の課題感として、一つは「自分自身のキャリアプラン」がやや曖昧だったという点があります。

もう一つ、時期的な背景がありました。私がこのコーチングを始めたのは2025年4月頃だったのですが、当時はちょうど非常に大きなプロジェクトが立ち上がるタイミングでした。多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まり、セクションごとに分かれて開発を進めていくことになりました。そのなかで「これまでのやり方で、このチームを最後まで回し切ることができるのだろうか」という、チームビルディングやマネジメント面での不安を持っていました。

そのような不安がありながらコーチングがスタートしていきました。コーチングに対してどのような成果や変化を期待されていましたか?

上江洌さん:大きく分けて2点あります。

1点目は、「自分自身の3〜5年先を見据えたキャリアプランの明確化」です。

2点目は、先ほどお話しした「チームの課題解決」です。部としてはちょうど杉浦が部長に着任し、「皆で助け合う」という組織風土の行動指針が打ち出された時期でした。一人のグループリーダーとして「どのようにメンバーを助け、また周囲に助けを求められるか」というゴール像と自身の貢献の仕方を模索していました。

コーチが伴走してくれたからアクションを徹底できた

実際にコーチングがスタートして、どのように進んでいきましたか?

上江洌さん:頻度としては、約3週間に1回のペースで、全21回のセッションを受けました。

進め方として、毎回のセッションの最後に「次のセッションまでに実行する具体的なネクストアクション」をコーチと一緒に定義するのが印象的でした。そして、次のセッションの冒頭で、「前回のセッションで決めたアクションはどうでしたか?」という振り返りから始まります。

「コーチングとは行動を定め、それを実行・振り返りを繰り返すことだ」と言われていましたが、まさにそのプロセスを毎回しっかりと実行できたことが思い出に残っています。

その「決めたネクストアクションを毎回しっかりやり切る」というのは、難しいことでもあると感じます。上江洌さんがやり切れたポイントはどこにあったのでしょうか?

上江洌さん:やり切れたポイントは「コーチとのコミットメント」です。

自分一人だけで決めた目標だと、日々の忙しさに追われて先送りにしてしまうこともあるかもしれません。しかし、コーチという存在と一緒に頭を悩ませて、「次回までにこれをやりましょう」と約束したからには、絶対にやり切って次のセッションに臨みたいという、ある種の責任感がありました。

「一人だけで頑張っているのではなく、コーチが一緒に伴走してくれている」という安心感と適度な緊張感が、行動をやり切る後押しになっていたと感じます。

難局での問いかけが、感情と向き合い自己を受容する転機に

セッションを通じて、「ここが自分にとっての転機になった」と感じるような山場やセッションはありましたか?

上江洌さん:はい、2つの転機がありました。

1つ目の転機は、「感情について問われたこと」です。私は普段、職種柄もあって物事を論理的・客観的に頭で整理して処理しようとする傾向がありました。実は、冒頭に紹介した大型プロジェクトが、事業状況の変化に伴い凍結することになり、その話をセッションに持ち込みました。するとコーチから「その時、上江洌さんはどう感じましたか?」と、感情にフォーカスした問いを投げかけられました。

これまで、自身の感情に意識を向けることが少なかった私にとって、新鮮な体験でした。

自分の感情を意識して掘り下げるようになってから、何かご自身の中で感覚の変化はありましたか?

上江洌さん:自分が思っていた以上に、自分は色々な感情があるんだなという気づきがありました。そして、その感情を抑え込むのではなく、認識することで「エネルギーに変えられる」ということに気づいたんです。ポジティブな喜びはもちろんですが、悔しさや怒りといったネガティブに見える感情であっても、それを原動力として次の行動へのエネルギーに変換できるんだと知ったのは大きな収穫でした。

これまでになかった貴重な気づきだったのですね。2つ目の転機についても教えていただけますか?

上江洌さん:2つ目は「自分自身を承認・肯定すること」です。

セッションを重ねていくなかで、私はずっと「あるべき状態に対して、自分の出来栄えはまだ80点くらいで、満点には程遠い」という感覚を持ち続けていました。そんな私に対して、終盤のセッションでコーチから「何が足りないと感じているのですか?」と問われました。

そこでハッと気づいたのは、私がモヤモヤしていた対象は「自分ではコントロールしきれない外部環境」であって、自分自身が定めた行動自体はしっかり実行できていたということです。それなのに自分を受け容れられていませんでした。

コーチからは「外部環境に意識をとらわれるのではなく、まずは自分が決めた行動をやり切ったことに対して、自分で自分をしっかり認め、褒めてあげていいのではないですか?」と言われました。できた事実を自分でしっかり承認してあげること。それができて初めて、次のステップへ向かう健全なエネルギーが生まれるのだと気づかされました。それ以来、自分自身を褒めるプロセスが身につきました。

大きな夢を描き、共に挑戦する「太陽のリーダーシップ」

コーチングを通じてキャリア観に変化はありましたか?

上江洌さん:直近の3〜5年の話だけではなく、もう少し広く「人生の目標」といった話題にも触れたなかで、あくまでキャリアは人生の過程であるという感覚を持てるようになりました。

私は現在グループリーダーという役職ですが、「最高のグループリーダー」というテーマでセッションをしたことがありました。「こういう仕事ができること」とか「みんなのために何かができること」とコーチに話したところ、「それって役割の一つじゃないですか?」と返されたんです。「上江洌さんは、上江洌さんですよね」と。それ以来、「会社でのキャリアだけにとらわれず、まずは自分自身の価値軸に従って成長していくことが大事なんだな」と考えられるようになりました。

肩書や役割にとらわれず、上江洌さん自身に向き合うという新しい見方が生まれたのですね。「上江洌さんらしいリーダーシップ」を一言で表すと、どのような表現になりますか?

上江洌さん:これはコーチと一緒に作り上げた言葉なのですが、 大きな夢を描き、夢に向かってメンバーと一緒に挑戦する“太陽”のような存在」です。これを自分らしさとして言語化し、自分の軸として定義できました。

とても素敵な上江洌さんらしさですね! その「太陽」という言葉にたどり着いた原体験について、ぜひお伺いしたいです。

上江洌さん:私の成功体験として、四輪バギー事業として初となる完全新設計(オールニュー)のパワートレイン開発に、チーフとして携わった経験がありました。

その時に、メンバーと一緒に甘い思いも苦い思いも味わいながら乗り越えて、「このオールニューのパワートレインで勝っていくぞ!」と意気込み、実際に成果を上げることができました。そのエピソードをコーチにお伝えした際に、「やっぱり周りのみんなを引っ張っていくような、太陽のような存在だよね」という話になり、そこから「“太陽”のような存在」に行き着きました。

身についたシチュエーショナル・リーダーシップ。
引き出しが広がり、1on1での問いかけにも変化

グループメンバーの方々との関わり方にも変化はありましたか?

上江洌さん:メンバーとは1回あたり30分間の1on1を月一で実施しているのですが、私自身がコーチングで受けて良かったアプローチを、メンバーとの1on1でも実践できるようになりました。

先ほど話したように、感情と向き合えるようになったことをきっかけに、単に「業務進捗の確認」だけで1on1を終えるのではなく、「今、どういう感情で仕事をしているか」「どんなことに困っているか」を聴き出したり、業務の枠を超えて「本人の強み」や「大切にしている価値観」について対話する時間を意識的に作ったりするようになりました。

また、メンバーに「寄り添う」ということの引き出しが大きく広がりました。

「引き出し」とは具体的にどのようなものでしょうか?

上江洌さん:以前の私は、「寄り添う」というと、熱血タイプのように「いけるぞ! やろうぜ!」と前を走って引っ張っていくような助け方しかイメージできていませんでした。

しかしコーチとのセッションのなかで、「助け方にも色々な形があっていい」という話になったんです。何か画期的なアドバイスを与えるわけではなくても、ただそばにいて話を聞くだけで、相手が落ち着きを取り戻せるような安心できる場をつくる。これも立派な「寄り添い」の一つなんだと気づかされました。

それ以来、メンバーの性格やその時々の状況に合わせて、グイグイ引っ張るようなリーダーシップの発揮の仕方もあれば、静かに寄り添って話を聞くようなサポートの仕方も選択できるようになり、マネジメントの幅が広がりました。

いわゆるシチュエーショナル・リーダーシップが身についたことで、引き出しが広がったんですね!

「いつか死ぬからこそ、人生すべてのプロセスを全力で楽しむ」

今回のコーチング終了時の事後アンケートにおいて、全評価項目において満点で回答していただいております。この満点評価をつけられた背景には、どのような実感があったのでしょうか?

上江洌さん:理由としては、大きく分けて2点あります。

1点目は、受講前に設定した「キャリアプランの明確化」と「チームの課題解決」という2つの目標を、早い段階で達成できたという実感が明確にあったからです。私自身、もともと厳しい評価をしがちなタイプなのですが、今回のコーチングを通じて「できたことや成果を承認し、自分自身を褒めてあげる」という自己承認のプロセスをつかめたからこそ、迷わず最高評価をつけることができました。

2点目は、キャリアの枠を超えて「人生のゴール」を言語化できたことです。セッションのなかで、私自身の人生のゴールの一つとして「これからの人生におけるすべてのプロセスを楽しむこと」と定めました。

「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉が普及するなど、効率重視の価値観や行動のスタイルが注目されるなかで、あえて「プロセス」に重きを置いている点にある種の新鮮さを感じました。背景を詳しく伺えますか?

上江洌さん:少し極端な表現に聞こえるかもしれませんが、人間というのは、どんなに栄華を極めた人であっても最終的には絶対に「死」を迎えますよね。言うなれば、人生というのは「あらかじめ負けが決まっているゲーム」のようなものだと思うんです。勝ち負けや結果だけに執着しても、最後はみんな死んでしまう。だったらむしろ、その途中にあるすべてのプロセスを全力で楽しまなきゃもったいないじゃないか、という考えに至りました。この確固たる人生の軸が得られたことも非常に良かった点です。

当社のmento(メント)という社名は、「メメント・モリ(死を思え)」という言葉が由来になっています。社名やその由来にリンクするような上江洌さんの価値観に触れることができ、嬉しく思います。

柔軟なマネジメントスタイルで、チームの雰囲気や効力感も向上

途中から同席いただいている、上江洌さんの上司である杉浦さんにもお伺いします。上江洌さんの内面や行動が変化したことによって、周囲にはどのような変化がありましたか?

杉浦さん:コーチングを受けて以降の彼は、非常に「柔軟性」が増しましたね。グループメンバーの意見や「こうやりたい」という思いをまずは一度しっかり受け止めて、部下の心情に寄り添いながらも、脱線しそうになったら上手く本来あるべきゴールへと導いていく、柔軟で高度なマネジメントスタイルに進化しました。

当部には、プロジェクトの凍結など厳しい状況が立ちはだかりました。それでも彼のグループが非常に良い雰囲気で一人ひとりが前を向き、着実に成長し、自己効力感を得られているのは、彼自身の変化と関わり方が大きく寄与していると思います。

もう一点、彼自身が「自分はどうありたいか」「どういうキャリアを描きたいか」という意思を、コーチングを通じて言語化したことで、私や周囲に対して照れずに「自己開示」できるようになったことも大きいですね。従来のような「エンジン設計の枠組み」だけにとらわれないキャリア観を周囲に語れるようになりました。一度周囲に言葉として発信したことで、彼自身の行動や覚悟がより強固になったと感じています。私としても、彼の挑戦を全力で応援したいと思っています。

杉浦さんが打ち立てた「皆で助け合う」という指針についても、詳しくお伺いしたいです。

杉浦さん:自分のグループや自分の担当範囲だけが上手くいけばいいという個別最適では、結局のところ会社として良いプロダクトは生まれません。部門の壁やグループの壁を越えて、困っている人がいたらお互いに手を差し伸べ合い、組織全体として最速で最高のアウトプットを出す文化を作りたいと考えていました。

助け合いの第一歩は、「相手が何に困っているかに気づくこと」です。ただ、その次のステップの難しさもあります。人間は、いざ誰かを助けようとすると、つい自分の「べき論」で働きかけてしまいがちです。その結果、「こんなに働きかけているのに相手が動かない」と、ストレスやフラストレーションが溜まってしまうという副作用が出ることもあります。

ですから今は、「お互いの強みや特性を理解したうえで、自分ができる手段で適切にサポートする」という真の助け合いへと進化させている段階です。彼はまさにその「相手を理解し、適切に助ける」というアプローチを自ら実践し、チームに浸透させてくれていると感じています。

「モヤモヤ」は新しい自分に出会い、未来を拓くチャンス

上江洌さんご自身の体験を踏まえて、mentoのコーチングをどのような人に勧めたいですか? また、どのような言葉で魅力を伝えますか?

上江洌さん「今一度、自分自身と深く向き合いたいと思っている人」や「役職や働く環境の変化が大きく、心の中でモヤモヤを抱えながらも、なんとか前に進みたいと願っている人」にぜひ勧めたいです。

自分一人だけで悩みやキャリアについて考えていると、どうしてもこれまでの経験や知識によるバイアスがかかってしまったり、「自分には無理だ」という無意識の制約がかかってしまいがちです。

そこにコーチという第三者が入ることで、自分では思いもよらなかった多角的な視点や、本質的な問いを与えてもらえます。そして「自分は本当はこう思っていたんだ」「こんな道もあるんだ」と、新しい可能性が開けることこそがコーチングの最大の魅力だと伝えたいですね。

最後に、同じように奮闘している全国のリーダーやマネージャーの方々に向けて、一言メッセージをお願いいたします。

上江洌さん:私は、プロジェクトの凍結など、厳しい事業状況のなかでコーチングを受けました。コーチという心強いパートナーと二人三脚で進むことができたおかげで、状況にとらわれず自分自身がコントロールできる「やるべきこと」に集中できるようになりました。

今、もし何かに悩みを抱えている方がいらっしゃるなら、そのモヤモヤは「新しい自分に出会い、未来を拓くための絶好のチャンス」です。ぜひ一人で抱え込まずに、自分自身と深く向き合う一歩を踏み出してみてほしいです。

上江洌さん、本日は素敵なエピソードの数々と所信を語っていただき、本当にありがとうございました!

mento 宮城、津田とともに

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