ホーム
事例一覧資料一覧
新任管理職の不安、組織運営の悩み、そして部下への権限委譲――ヤマハハイテックデザインの管理職が語るコーチング活用術
新任管理職の不安、組織運営の悩み、そして部下への権限委譲――ヤマハハイテックデザインの管理職が語るコーチング活用術

INDEX

ヤマハハイテックデザイン株式会社は、管理職のパフォーマンスがメンバーや組織のパフォーマンスに影響を与えるという考えのもと、管理職をサポートする手段としてコーチングを活用しています。結果として、コーチングを利用した管理職のエンゲージメントスコアは、9ヶ月で58ptから66ptまで114%上昇しています。

管理職のエンゲージメントスコアは、9ヶ月で58ptから66ptまで114%上昇

今回、コーチングを受けた4名の社員にインタビューを行い、一人ひとりがコーチとの対話を通じて得た気付きや変化を、座談会形式でお聞きしました。

管理職登用や役職定年といったターニングポイントに立つ社員の、コーチングへの期待

まず、皆さんの現在のお仕事内容と、コーチングを受ける前の課題や悩みをお聞かせください。

石川さん: 

設計1課で、ソフトチーム、評価チーム、メカチーム、開発管理チーム、そしてeCall専門チームの5つのチームのマネジメントをしています。

私は課長歴が長いのですが、実はエンゲージメントサーベイで「人への関心が薄いのではないか」というフィードバックを受けていました。マネジメントする人数が多い中、一人ひとりに時間を割くことが難しく、エンゲージメントサーベイでの指摘をどう改善すればいいのかを考えていました。そこで、コーチという利害関係のない第三者の意見を聞きたいと思っていました。

鈴木さん: 

設計2課で、電気チームと車載チームの2つをマネジメントしています。

コーチングを受け始めた当初は、管理職に登用されて数ヶ月で、力不足からくる悩みがたくさんありました。様々な悩みや課題もコーチングを受ければ、客観的なアドバイスをもらえるのかなという軽い気持ちで始めました。今ではコーチとの時間をワクワク楽しみにしています。

糟谷さん:

 設計3課で、LSIなどのハードウェア設計チームと、信号処理や音響などソフトウェア中心のシステムチームの2つのチームをまとめています。

私も鈴木さんと同様に、管理職に就いて間もない時期で、新しい役割にまだ十分慣れていない状況でした。メンバーに対して必要な注意喚起は行う責任がありますが、今まで通り何でも話せる環境は変えたくありません。この両立を、どうしようかと悩んでいました。幸いコーチに恵まれて、4月からは毎週コーチングを受けています。

内山さん: 

私は今年の4月に役職定年を迎えましたが、以前は管理課の課長として、人事・経理・総務・システム管理などの間接部門を管理していました。現在は後任に引き継ぎ、システム管理と総務系の一部、安全衛生などを担当しています。

私の場合、後任への引き継ぎが最大のテーマでした。また、プライベートでは介護の問題もあり、そのバランスをどうとるかも課題でした。コーチは、羅針盤のような、壁打ち相手のような感覚で受けています。

利害関係のないコーチとの対話で、今まで見えていなかった自身の姿が浮き彫りに

コーチングセッションで、特に印象に残ったテーマや気付きはありますか?

石川さん: 

私の場合は、「バランスホイール」を使った自己分解が印象的でした。人生の8項目(仕事、キャリア、お金、余暇など)で自分の価値観を整理していったのですが、思えば50年以上生きてきて、自分のことをこんなに真面目に考えたことはなかったんです。

そうして自分を客観視していく中で、最終的に自分は「アダプティブリーダーシップ」「参謀タイプ」なのではないかという結論になりました。今まで自分の軸が自分でもわからず、この先どうなるのか見えていなかったのですが、今後はそこを軸にして生きていこうかなと思うようになりました。

鈴木さん: 

私は初回のセッションで、コーチにまずは自分のことを深く知ってもらおうと思い、生い立ちから育った環境、これまでどんなことを考えて過ごしてきたのか、学生生活から就職、配偶者との出会いまで、本当に僕の全てをさらけ出して1時間お話しました。そこから信頼関係を作ったので、すぐに何でも話せる関係になりました。私は生まれも育ちも浜松で、他の土地に住んだことがありません。狭い世界で生きてきたという自覚があるので、コーチには私の知らない世界をたくさん見せてもらっています。

ただ、仕事のこと、家族のこと、色んなことを話しているので、話がごちゃごちゃしてしまうこともあります。その時は、コーチがホワイトボードを使ってリアルタイムに情報を整理してくれて、さらに気づきを教えてくれます。それが非常に助かっています。

糟谷さん:

印象に残っているのは、採用活動をしているときに会社説明会で求職者の方々にどんなことを伝えるべきか、悩んでいたテーマです。私にとっては、それが初めての会社説明会だったから、何をどこまで話したらいいのか、感覚がつかめていなかったのです。その時、コーチから「糟谷さんは『会社として伝えるべきこと』と『求職者に伝えたい自分の想い』、どちらを優先しますか?」と問いかけられました。私は後者の「伝えたいこと」に重みづけをして、実際の説明会では自分の言葉で率直に話すことにしました。結果として、求職者の方々ともスムーズにコミュニケーションをとることができました。

石川さん: 

私もその会社説明会に一緒に出ていましたが、今その話を聞いて、なるほど、だからああいう語り口だったのかと納得しました。初めてなのに初めてではないみたいで、スムーズでしたよね。

糟谷さん: 

もしコーチと事前に整理していなかったら、初めての会社説明会ということで、ちょっと杓子定規っぽくなっていたのではないかと思います。

内山さん: 

私は毎回テーマが変わるんですが、その中で一番印象深かったのは、WBS(ワーク ブレイクダウン ストラクチャー)という手法を提案していただいたことです。昔からある考え方なんですが、私が全然意識してこなかったアプローチでした。それを実際にやってみたら効果があって、また次のステップへという繰り返しができました。毎回、自分の視点にないアドバイスをいただいて、それを踏まえて常に変わっていくことができています。

コーチングを受けて、実際に行動や考え方に変化はありましたか?

石川さん: 

自分の軸が見えたことで、人に合わせることへの悩みが少し消えました。アダプティブリーダーという自身の特性を理解したことで、「人に合わせていくのも自分の強み」だと思えるようになってきました。状況も考えて、変わることも、変えていくことも自分の強みだと思えるようになりました。無理に頑なにこうだと決めつけるのではなく、状況に応じて変わっていけばよいと思います。そんな気づきを与えてくれたコーチングや、バランスホイールによる自己分析を、メンバーにも勧めたいと思っています。

鈴木さん: 

私は自分にも他の人にも完璧を求めなくなりました。自分と他者の得意なことを活かして、人と比べない、背負いすぎないチームワークを大切にするようになったと思います。あと、プライベートなこともよくコーチに話していますが、家族愛が強いねってよく言われます。今は大学4年の娘と高校3年生の息子がいますが、もしかすると2人とも次の春に家を出ていくかもしれません。何気ない「おはよう」の挨拶も、すごく価値があるように思えるようになりました。これも、コーチングの影響かもしれませんね。

糟谷さん: 

管理職としての行動についてコーチと話すなかで、部下との関わり方に大きな変化がありました。月末にお客様に納品する書類の処理を、これまでマネージャーの私がやっていたのですが、それを部下に権限委譲したのです。そうすることで、メンバーの自走心が芽生え、私の仕事も一つ減りました。

内山さん: 

WBSを活用した課題分解を実際に行って、それを部内のノウハウ共有会で発表しました。すると、参加者から「実践したい」という反応がありました。自分の考えを整理して、それを周りと共有することの重要性に気が付きましたね。

自己理解の深化、新たな視点の獲得、行動変容のために、周囲にもコーチングを勧めたい

コーチングをどのような方におすすめしたいですか?

石川さん:

 私も、コーチングは多くの人に受けてもらいたいなと思います。強いて言えば、特に30~40代のリーダーになったばかりの人に受けてもらいたいですね。若い頃は色々な悩みがありながらも、まだまだ勢いで突き進めるところもあるでしょう。しかし管理職になって部下を持つ立場になると、責任も大きくなりますし、人間関係も複雑になり、自分のキャリアも含めて悩みが大きくなります。自分の行動が周囲に与える影響も大きくなりますから、私がやっているようなバランスホイールでの自分分解をやってもらうといいと思います。

鈴木さん: 

コーチングは、私たちのような新任管理職はもちろん、一般社員でも新人でも、さらには社員のパートナーにも、どんな人にも受けていただきたいと思います。新入社員はまだ色々な不安があるでしょうし、中堅社員も仕事や人間関係での悩みがあるはずです。それぞれのフェーズで有意義に活用できるはずです。

糟谷さん: 

コーチングは必ず得るものがあると思うので、できるだけ多くの人に受けてもらいたいです。私も部下との1on1で、自身のコーチングの体験を話しながら、「利害関係のないコーチングなら全然違う意識で臨めるよ」と勧めています。コーチングの活用方法は人それぞれで、単に話を聞いてもらう場として使うのも、セカンドオピニオンを得る手段として活用するのも有効だと思います。

内山さん:

まずは、私の後任の課長にぜひ受けてもらいたいです。管理職は自分の考えを俯瞰して見ることが重要ですが、一人だとどうしても偏ってしまいます。しかし、社内で相談できる相手には限りがあります。そこで、コーチのような利害関係のない第三者と話すことは、自分を見つめ直すきっかけにもなり、非常にためになるはずです。

最後に、今後のご自身の展望をお聞かせください。

石川さん:

私自身は、アダプティブリーダーシップと参謀タイプという自身の特徴を軸に、状況変化に応じたリーダーシップを発揮したり、メンバーの支援をしたりしていきたいです。そして私もあと2年で役職定年になるので、その後のことも考えていきたいと思います。

鈴木さん: 

今後の目標としては、エンゲージメントの高い組織づくりを推進していきたいです。無理に多くを抱え込みすぎず、メンバーに得意なことを任せながら、チームワークで助け合っていければいいと思います。会社に行って楽しいと思える、笑顔で働ける職場を作っていくことを目指しています。

糟谷さん: 

私はまだ管理職になって日が浅く、これから任されるチームの規模もだんだん大きくなっていくと思いますから、今後もコーチングを活用したいと思います。私は人と話すのが好きな性格で、特に初対面の方との会話に魅力を感じます。そのおかげで、今のコーチとも気兼ねなく話せる関係ができています。今後も、コーチとの様々な対話を楽しみながら、自分の世界を広げていきたいですね。

内山さん:

今後については、役職定年後も定年まで会社にどう貢献できるかを探りながら、仕事に取り組んでいきたいです。課題はいくつもありますが、ひとつずつ優先順位をつけながら、まずは定年退職までの残された時間で何ができるかを探っていきたいと思います。

ヤマハハイテックデザイン株式会社代表取締役社長の村木さん、mentoサクセス担当宮城とともに

あなたのお悩み・課題に合わせて活用方法をご案内します。
お気軽にお問い合わせください。